離任まで残すところ半月余り、乾季ということで週末の行事が多く、自由になる時間がなかなかないのですが、この日曜の仕事が昼頃には終わるということが判り、早速月曜有給取ることにして、昨日日曜夕刻16時発のUB201便、Embraer190型ジェット機でシットウェに飛んできました。
夕暮れ時のシットウェ空港に到着。ジェット機は速いです。
当方がこの地域を訪問するのは、前回、昨年4月に続いて2回目ですが、ご存知のとおりのラカイン情勢、引き続きあまり芳しい状況にはありません。
シットウェ市内の始発駅ピードーター。この付近は何ら問題ない地域ですが、運転関係者氏曰く、RBE5015以外は壊れて動かないんだよ、との心配なご説明。
暫く前にAA(アラカン軍)による警察施設襲撃事件が発生したこともあり、外国人の立ち入りが制限されていないか念のため確認したのですが、取り敢えずシットウェ~ミャウーの観光ルート上は、TA要取得といった状況にはない模様。
市内外れの岬のレストランで、当地在勤の国連機関勤務の友人と晩御飯。
とはいえ、これも極めて流動的な状況下にある地域であり、いつ何が起こっても不思議ではない地域ではあります。
明けて月曜朝、クァンタウンからポナンジュンへと向かう、併用橋を進む松浦鉄道車。
本稿でも、この地域への不急不要の渡航を薦めるものではなく、それでも強く希望して現地に赴かれる方におかれては、現地の状況に通じた案内人と運転手を確保し、警察や鉄道当局者には常に状況を確認しつつ、少しでも状況の悪化が見られる場合には、直ちに身の安全を確保できるような準備をした上での往訪としていただければと思います。
ポナンジュンから北上して暫くの区間では、キスパナディ川に沿って走ります。
カナンタウン~チャウトー間の運転が再開され、運転本数も2往復に元どおり。途中駅ヨタヨークでの列車交換も復活です。
特に、キハ52などの列車を撮影しようとされる方におかれては、望遠レンズや三脚が武器と誤認される可能性すらありますし、撮影されたくないと考える住民や当局者も沿線には多いエリアです。撮影に際しては、当局者の許可を都度得つつ、念には念を入れた対応をお願いします。
不思議な丸い物体は、藁を纏めたもののようです。
前置きが長くなりましたが、今回の渡航の目的は、前回訪問時には運行休止中だった“ラカイン北線”の北半分、カナンタウン~チャウトー間の運行が再開されたため、新たにこの区間が“乗り残し”となってしまったためで、ここを乗らずに離任するのは寝つきが悪くて困るわけです。
カナンタウン~アパウクワ間は、運転再開区間でも幹線道路から離れているため、結構な乗客が待ち受けていました。
その再開区間にシットウェ市内のホテルをまだ薄暗い時間帯に出発、車を飛ばして訪問してみれば、再開したとはいえ、路盤状態は酷く、そこかしこで徐行を余儀なくされ、崩れ掛かった小さなコンクリート橋の横には枕木を組み上げただけの「ここは軍用鉄道かっ」と言いたくなるような応急処置の区間がいくつもあったりという、いつまた運行が止まってもおかしくない状態でした。
ノンビリと牛が渡っていくのを、徐行しながら待ちます。
こんな感じの応急修理?しただけの箇所が何か所も。築堤の浸食も激しく、キチンとした手を打っておかないと、早晩事故が起こるか走行不可能になると素人目にも思われます。
もう一か所の併用橋は終点チャウトーの少し手前に。
それでもなんとか無事に終点チャウトーに到着、晴れて(多分)日本人2人目となる(笑)ミャンマー鉄道完乗となり、ようやくホッとしました。前にエセ完乗宣言してしまったこともあり。
無事に終点チャウトーに到着。これで晴れてミャンマー国鉄MR、完乗です。
折り返し運転の前に、ドラム缶から給油中。
そして最後シットウェに戻ってのフライトまでの空き時間に、ちょうどゾーブージャに向けて出発していく“南線”のキハ52を見送ることが出来ました。この際も、この道は立入制限がある、ここから先はベンガリーの村だから行けない、などと色々一緒に考えてくれる運転手さんに素直に従いました。
最後にキハ52の元気な姿を見ることが出来てよかったです。撮影はまだまだ自由には出来ませんが、これからも頑張って走り続けて欲しいものです。
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