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2012年9月15日 (土)

タンク車に乗って: シドトポ~パサール・トゥリ

先週末のシドトポ駅を早速再訪。今日は10:30シドトポ発、スラバヤ・コタ駅経由のブリタール行き「Raphi Dhoho」でスラバヤ市内の(一般には知られていない)旅客営業が実はなされているらしい三角線区間の北・西区間であるシドトポ~スラバヤ・コタ駅間を乗ってみようというのが今日の目的。三角線のもう一方の密かな営業区間、シドトポ~グベン間は、早朝の4時台と5時台に1本ずつあるだけらしいので、こちらは後日、とーっても早起き出来た時か、夜行でスラバヤについた時などにとっておくことにする。
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この貨物列車の後部デッキに便乗させて貰いました♪

ところでそのスラバヤ市内の鉄道、地図やネット情報を見てみると、なかなか複雑なものがある。
一般的な営業区間としては、西のパサール・トゥリ駅から西のボジョネゴロ、スマラン方面へと向かう、所謂ジャワ北本線と、コタ駅・グベン駅から南そして南西へと向かう、所謂ジャワ南本線、南のウォノクロモ駅から更に南下、その後東のバニュワンギ方面と、南のマラン方面へと別れる路線、と3本が主な営業路線。これに加えてこの度、シドトポ~グベン間とシドトポ~コタ間に営業運転する列車があることが分かった。
シドトポの駅というか、機関区からは、北のベンテン(Benteng)貨物駅を経て、プルタミナの石油基地のあるバンダラン(Bandaran)駅までの貨物線が延びている。また、パサールトゥリ駅からは北のタンジュン・ペラク港までの貨物線が延びており、こちらも日に数本のコンテナ貨物列車が運転されているそうだ。
問題は、西のパサールトゥリ駅と東側路線との間で、勿論線路は繋がっているのだが、貨物列車が運行されているという話は聞くのだが、旅客列車はオランダ時代から現在に至るまで、運行されたことがないという。
勿論単線非電化で線路容量は大きくないのだが、スラバヤの旧市街地の中心はこの貨物線が通る、現在でいうところのトゥグ・パフラワンの塔のあたりで、現在も州政府庁舎やインドネシア銀行の支店等が位置しており、現在も市内の中心部はこの西はパサールトゥリ・北はトゥグ・パフラワン近辺、東はグブン駅をそれぞれ頂点とし、更に南側に広がるエリアになっている。
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スラバヤ市内の鉄道路線略図を作ってみました。

北と東は海でこれ以上広がりようのないスラバヤの市街地は、西と南に向かって拡大しており、西のラモンガン方面から市内中心部東側へ、或いは南のシドアルジョ、モジョクルト方面から市内中心部の北側の通勤客あるいは、市内中心部周辺の古い住宅街から南の工業団地等への通勤・通学客の利便を考えると、西からの北本線と南西・南への南本線とシドアルジョ方面への路線は、直通運転させた方が何かと便利かと考えられるが、なぜかそのような計画はないようだ。平成22年度にJICAがこのスラバヤ地域の鉄道路線の近代化(電化・高架化)にかかるフィージビリティ・スタディを実施しているが、この報告書でも両路線の直通は推薦されていない。

そんなわけでこの区間については実際に列車が走っているのか気になっていたのだが、今日シドトポ駅で列車を待っていた時、メカニックの係員に声をかけられた。「何処へ行くんだい?」から始まって世間話をするうち、「なんでグベン~コタ~パサールトゥリに列車を直通させないの?」という疑問に対し、この区間は線路が繋がってないからね、という回答。え、そうなの?
確かにコタ駅の南側を通過しているパサールトゥリ方面からの線路は、コタ駅のホームレベルより一段高い築堤の上を走っており、コタ駅からパサールトゥリ方面へは行けなさそうだ。しかしホンの数十m先の築堤の上にホームだけ設ければよさそうなもんだが・・・と思ったら、その線路はシドトポ方面に繋がっているだけで、グベン駅方面には繋がっていないのだそうだ。
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コタ駅を俯瞰。ヤードの奥にはスラバヤ・コタ旧駅舎跡が見える。

そんな話をしてるうちに、「今から貨物が出るから乗って行くかい?」という話になり、勿論願ったりかなったりで、便乗させて貰うことにした。
貨物列車というんで、ディーゼル機関車のキャブに添乗かと思いきや、案内してくれたのは1両だけ連結されたタンク車の後部デッキ。普通のタンク車と異なり、ちゃんと係員が乗れるようにここに屋根がついてる。
聞いてみると、この列車はパサールトゥリを起点に発着している北本線の列車を牽引するディーゼル機関車用の燃料(軽油)で、同駅脇の機関区のタンクに給油するため、2日に一回、北部のプルタミナの基地があるバンダランとパサールトゥリとの間を往復しているのだという。鉄板一枚隔てた背中は軽油が満載されたタンクということで、交通事故にでもあった時にはもう確実にどうにかなってしまいそうな乗車環境なわけで、今日ばかりは事故が起こらない事を心から祈らざるを得ないなぁ。

にこやかな駅長に笑顔で見送られて出発した貨物列車は、シドトポ駅を出て南下を始め、すぐに築堤を登り始め、右手(西側)の線路との間に高低差が生まれ出した。こちらはコタ駅方面への路線とのこと。
次第に線路は西方向へと向きを変え、グベンからコタへ入る複線の線路を跨ぐと、右手方向にはコタ駅の手前の留置線が広がって来た。数本の列車が並ぶ向こうには、鉄骨だけが残った廃駅舎。これは昔のスラバヤ・コタ駅で、駅舎正面の建物は鉄道遺産的価値があるとして取り壊しを逃れており、将来的には整備されることが期待されている。そのコタ駅手前の右下側からこちらの貨物線側に上がってくる線路が一本あり。あれ、繋がってないんじゃなかったっけ??
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スラバヤの裏町を抜けて走る貨物列車。

さてこの貨物線の方は、線路脇には不法占拠のスクウォッター住居が立ち並んでいるのは予想どおりなのだが、何故か各家には鳥籠というか、木製の鳥「箱」が設けられているのが目立つ。同乗の職員氏曰く、育てて売るのだとか。ブリーダーなんですかね。

そして列車はのんびりと走りながら、トゥグ・パフラワンの塔のある広場をこれまでない角度から眺め、再びスラム化したエリアをゆっくりと左にカーブし、パサールトゥリ駅へ入って行く。駅の手前、北側には大きなショッピングモールが建てられており、単線の線路ははこのモールの1階部分を潜り抜け、駅構内へ入って行く。
この区間、途中には北のカリマス駅、タンジュン・ペラク港方面への貨物線を分岐する「Mesigit」そして「Pasarturi Gudang」という2つの駅がある事になっているが、全く判らず。信号所にしてももう少し何かありそうなもんだが。
列車はパサールトゥリ駅構内を一旦走りぬけた後、スイッチバックで転線し、機関区へ入る手前で降ろして貰ったが、シドトポ出発からここまで、この間対向列車と交換できるスペースはなかった。この区間に旅客列車を乗り入れる場合には、ちょっと課題になり得るかもしれないな。

そんな訳で、普段乗れない区間を乗ってみる貴重な体験でした。
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モールの1階をくぐりぬけてパサールトゥリ駅へ到着。。。

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コメント

とっても気になったので、今日行って確認してきました。
結論は、「あります」。パサールトゥリ方面からの線路が、コタ駅南側の築堤の上から分岐して下り、コタ駅からグブン駅に向かう本線に合流し、グブン駅方面に行ける線路がありました! のですが、踏切部分の線路は砂に埋まり、線路も錆つき、暫く使われた形跡はないようでした。
上の路線図も修正しなきゃいけないかな??

投稿: 落花生。 | 2012年9月22日 (土) 22時41分

続けて失礼します。

ということはパサ-ルトゥリからコタはおろかグベンにもスイッチバックしない限り、入れないってことだったんですね!なんでこんな面倒くさい配線にするんだか・・・。しかしこれでモヤモヤが一つ解消されました。ありがとうございます。

投稿: パクアン急行 | 2012年9月19日 (水) 12時11分

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