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2012年10月14日 (日)

鉄道遺産めぐり@スマラン。

さてスマランにやって来たのは、以前から行ってみたいと思ってた古い建物巡りが目的。
といってもまあ全部鉄道関連な訳ですが。

ここスマランは、1867年8月、インドネシアに最初の鉄道が開通した土地であり、考えてみたらこれは我が国の新橋~横浜間よりも早い訳で、ちょっと驚きですね。その鉄道は、スマラン…北部のケミジェンというエリアにあったタンバクサリというところらしいのですが、そこから南のタングン(Tanggung)という所まで、約25kmのものでNIS(Nederlandsch-Indische Spoorweg Maatschappij : 蘭印鉄道会社)の手によって開通、この路線はその後南のソロへと延伸されて行きます。そのNISが1907年に建設した本社ビルが、現在スマラン市内中心部に残っており、国鉄PT.KAIの手によって一連の鉄道文化遺産保存プロジェクトの象徴として、2009年からリハビリ作業が進められてきました。
Lawangsewup1040917_2
旧蘭印鉄道本社ビル「Lawang Sewu」。左には保存SLも見えますね。

2011年7月にアニ・ユドヨノ大統領夫人によって正式に開館、現在もリハビリ工事は進行中ですが、既に作業を終えた一部の建物内には写真等が展示され、観光客に開放されています。この存在を教えて貰ったのは、ジャカルタで「Heritage」と称するグループに所属し、国立博物館のガイド資格をとったり様々な文化遺産を訪問したり、在留外国人に紹介する活動をしておられた大使館のM本参事官の奥様からでした。恥ずかしながら、この建物の存在、それまで全然知りませんでした。
Lawangsewup1040901
L字型のメインの建物を裏側から見るとこんな感じ。こちらはまだリノバシ中の模様。

さて今日は他にも行ってみたいところがあります。
昨夕乗って来た、ソロからの路線沿いの駅なのですが、昨日書いたとおり、この路線は普通列車が「乗客がいない」という理由で全廃されており、走っているのは夜行列車のみ。仕方がないので、時間もあまりないのでタクシーを駆使して回ってみることに。

先ずは、スマラン市街地中心部から東、ペンガロン・バスターミナルの先の北本線とソロ方面の路線とが分岐する、ブルンブン(Brumbung)駅。この駅は1867年に最初の鉄道が開通した時からの駅で150年近い歴史を誇る。勿論現在の建物はその時の物ではないのだろうけれど、上下線に挟まれた駅舎の両側にプラットホームを持つスタイルはこの時代の駅の構造に共通するもの。夜中に2本の列車が停まるだけで暇を持て余している駅員氏と話をしているうちに、間もなく貨物が通過するというので、折角なのでちょっと待って高速で通過するコンテナ列車を一枚撮ってから次へ移動。
Brumbungp1040937
上下線に挟まれた、ブルンブン駅を通過する北本線のコンテナ貨物列車。

次はソロ方向へ1駅進んだタングン(Tanggung)駅。先に述べたとおり、インドネシアで最初の鉄道が開通した時の終点だ。東のプルウォダディ方面への幹線道路から南へ折れ、舗装がところどころ怪しい田舎道を、Google Mapを頼りに走ること暫し、Tanggung Harjoの小さな集落は簡単に見つかりました。
しかし小さな集落で、なんでここを最初の終点にしたのかよく判らない。水運との連携点というわけでもなさそうだし、農産物の集荷地だったんだろうか。まあ翌1868年には更に南へ延伸されたようだから、本当に一時的な終端駅だったんだろうな。
駅舎はやはり開業当時のものではなく、1910年に一旦取り壊されて建てなおされたものだという。それでも100年か。広場とも呼べない小さな駅前にはちょっとしたモニュメントが建てられ、駅舎は流石に綺麗に整備されている印象。裏に回ってみると、キチンと「1992年法律第5号に基づき、文化財に指定する」なんて看板が建てられてる。こちらは本当に停車する列車は一日一本もないためか、駅員の仕事は通過監視位しかなく、それでもこういった来客が時折あるからか、丁寧に対応してくれました。Tanggungp1040965
インドネシア鉄道開通の地、タングン駅で、筆者。

ここから更に東、そして少し大きなバス道に出て南に向かって走ったところがクドゥン・ジャティの街。ここまでタクシーでおよそRp.12万程。ここまではスマランから直行の路線バスもあるから、こちらは訪問し易いか。
クドゥン・ジャティ駅は、スマラン~ソロを結ぶ当時の幹線と、アンバラワ方面とを結ぶ支線との分岐点で、駅舎の北側に3線、南側はがっしりとした鋼鉄製の支柱に支えられた屋根がかかった下にも3線ほどの側線が広がる結構大きな駅だ。1976年の同支線の廃止までは乗換駅として賑わったのだろう。
駅の造りは、保存されているアンバラワとよく似た印象。線路に挟まれた駅中央部には白壁に煉瓦積みの瀟洒なデザインの駅舎と、プラットホームが設けられている。現在は廃線になっている駅舎南側の線路とホーム上には食べ物や飲み物の屋台が幾つか設けられているが、発着する列車も殆どない現在、多くの店は戸を閉じてしまっている。
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アンバラワ鉄道博物館駅舎とよく似た印象のクドゥンジャティ駅。列車に乗れない駅。。。

ここも現在は停車する列車も昨夕のブランタスなど数本のみで、しかもこの駅にはオンライン発券システムが入っていないため、何とこの駅では乗車券の発券が出来ず、この駅からの乗車は出来ないのだという。
下車は出来ても乗車できない駅が在るとは。この国鉄PT.KAI各線には、無人駅だってあるだろう。無札で乗って車掌から切符を買えばいいのに、と思ったら、ローカル列車はそれが可能だが、(この駅に停車する)中長距離列車は全てオンライン発券になり、無札での乗車、車補の発券は出来ないとのこと。ちょっとそれはどうかしてないか?
どこか別の駅でこの駅発の切符を買っておけばこの駅から乗ることが出来ない訳ではないだろうが、ここの住民は実際そんなことはしないだろう、なんだそりゃ、という感じですわ。

スマランに戻り、最後に市内北部、地盤沈下で水に浸かりつつあるエリアの一角、開業当時のスマラン駅のあったタンバクサリを訪問してみるが、駅が在ったと思われる場所には普通の住宅やヤヤサン(団体)の事務所等の建物が立ち並び、場所を特定する事の出来る材料は何も残っていませんでした。唯一、少し東の方に歩いて行ったあたりに、元の機関庫だったと思われる建物が残っていた位…
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NIS開業当時の機関庫だったと思われる、タンバクサリ地区に残る建物。

今日の戻りは、15時27分発のスラバヤ行き2列車、特急「アルゴ・ブロモ・アングレック」。なんだかんだ言ってこの(初代レッドアローみたいな)下膨れの新型客車に乗車するのは初めてだな。
車内では以前6月に、Nusantara号を貸し切った時にサービス担当だったというプトリさんという係員に声をかけられ、思わずお土産を余計に買い込んじゃったりしつつ、7分ほどの遅れでスラバヤ・パサールトゥリ駅に帰着。
スマランからの北本線、複線化工事が相当なスピードで進行中でした。
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 スマラン・タワン駅に到着するアルゴ・ブロモ・アングレック2列車スラバヤ行き。
↓ 抜群の記憶力で驚かせてくれた車販嬢のお二人。つい買っちゃったじゃないか。逆ナン!?
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