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2014年1月27日 (月)

再開アチェ鉄道に乗る ようやく。

25日土曜日、まだ続きます。

さて列車出発の30分ほど前になり、動きが慌ただしくなってきた。
暇そうにお喋りしていた職員らはよれたTシャツから制服に着替えてくると、流石にキチンとして見える。
駅舎には週末の今日、レジャーとして列車に乗りに来たと思しき若者たちが現れ、1枚1,000ルピアの切符を購入。こちら、国鉄の標準スタイルの切符ではあるのだけれど、印字はされておらず、日付と「KA PERINTIS ACEH(アチェ試験列車)」と記されたスタンプを押しただけのもの。なるほど試験列車、試運転扱いなわけですか。先般の報道が何となく曖昧だったのがわかるような気がする。
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いよいよ入線してきましたが… なんかやっぱりぶつけたことあるんだ。

そして車庫の扉が開けられ、2両編成のKRDI気動車が出庫してきた。
駅の西側でスイッチバックして駅舎前のホームに入線。乗客は、先ほどの若者3人組と家族連れ、全部で10人くらいだろうか。
対する運行側は、駅員3人、運転士と助士、車掌、警備員、掃除係に加えて非番の職員まで現れるなど、こちらも10人以上。

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暇つぶし?に汽車に乗りに来た、地元の若者グループ。女性は皆ジルバブですねー。

発車前に運転室に入れて貰え、列車は定刻に出発! なのだが、出発信号機はなし。聞くと、「いや、ここには信号機はないよ」と平然と仰る。
まあ、全線一閉塞。っていうか、走れる列車は一編成しかないんだから、正面衝突事故なんて起きる訳はないわな。なので中央のブンカー駅と両端の両駅との間で無線連絡すれば済んでしまうのだけれど、問題なのは、踏切も全くなく、列車の直前横断を行うクルマ、バイク、そして放し飼いの動物たちの多いこと。
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運転席に添乗させて貰い、一路東へ。立派な鉄橋(バイク道との併用橋?)ですね。

一度列車がブラインドカーブを曲がった直ぐ先で、まさに横断しようとしているシャコタンのカローラが現れて盛大にホーンを鳴らして急制動・・・ はかけず。
実はこの列車、最高速度が25kmに抑えられており、実際のところ現時点では時速20kmほどしか出していないのである。なので、衝突事故の可能性は殆どないといえるだろうか。なんでもまだ再建したばかりの路盤が安定していないため、こうやってゆっくりと列車を往復させながら路盤を固めていくのだと。
その状態で営業運転して乗客を乗せちゃあイカンと思うのだけれど、まあだから「試運転中」な状態なわけですか。
更には、再建工事がある程度進んで以降(2008年頃には)、数年間放置されていた間に、線路沿いの住宅や道とを結ぶ「私設踏切」が、もう十数mおきに勝手に作られており、あまり高速で通過すると土盛りに乗り上げて脱線の危険すらある。
そして、まだ怖さを感じないのか、列車が近づいても警笛を鳴らしても、動物たちは逃げやしない。
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私設踏切?が多いですねー。
こんな田舎でも立派なモスクが見えるのが、アチェらしいですね。

そんなわけでまずは東の終点、クルン・グクで小休止の後、切符を買い直して折返し、今度はブンカーを経て西の終点クルン・マネへ。今度は乗客は30人ほどだろうか、週末の夕方、夕涼みがてらちょっとお散歩といった感じの家族連れが乗り込み、それなりの乗車率になってきた。

先ほどの線路を戻り、途中のブンカーを出発して以降、右手の車窓には海岸が近づいてきた。このあたり、2004年のスマトラ沖大地震・津波の際にはかなりの被害があったという(200人ほど亡くなったと述べる人もいた)。

そして当座の西の終点、クルン・マネに到着。
これで無事に完乗タイトル回復、スッキリしましたね。笑
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東のクルン・グク駅で、折り返し待機中。

次第に日も陰ってきたので、今日の乗車はこれで終了。関係者の皆さんにお礼を述べてお別れ、10分ほど歩いて国道に出て、ロクスマウェへ向かうミニバスを捕まえる。市内に入ったターミナルまで40分ほど、Rp.10,000でした。

今晩は市内に2つしかない三つ星ホテルの一つ、ホテル・リド泊(Rp.40万)。質は、まあ値段相応。
ところで、このナングロ・アチェ・ダルサラーム州、シャリア法が適用される、厳格なイスラムの強い地域です

ここで一句。
流石アチェ Bintang(星つきホテル)なのに、Bintang(ビール)なし
ちょっと字余り。

少し寂しい夕食時でした・・・。
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最後になっちゃいましたが、アチェ鉄道の切符を。デザイン変更で不要となった古い図柄のものを再利用、ってことかな。

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コメント

おっとっと様、
いつもご覧いただきありがとうございます。
日本人ヲタ前人未到!確かにそうかもしれませんね。少しでも後に訪問される方のお役にたてるような情報も交えて書かせて戴いたつもりです。って、そんな人いますかね。もしよろしければ、ぜひどうぞ。 笑
この郊外のみ3駅間の路線、確かにまだ全く”営業”という面では価値はありませんが、きっと裏には深い政治的な深慮遠謀があるのでしょう。趣味人としては、純粋に今後に期待するだけにしておきますが。
トルコも新彊もお酒は緩いですよねえ。北アフリカも国産ワインなどありますし。インドネシアもムスリム国の中では比較的緩い部類かとは思います。これが中東諸国になりますと… せめて外国人異教徒にはお見逃しを・・・とお願いしたくなります。

投稿: 落花生。 | 2014年2月 1日 (土) 12時45分

こんにちは、日本人趣味者は恐らく前人未踏 (?) の再開アチェ鉄道レポート、大変興味深く拝見させて頂きました!
なるほど……当面はお試し営業ですか。本格的な営業は、確かに都市間輸送または都市と近郊の輸送にとって便利な路線長や本数を揃えないことにはどうしようもないですね。
しかし、アチェ独立運動関係者もすっかり、まったりとした鉄道風景の中に溶けこんでいるということで、大津波後のアチェ和平がそれなりに軌道に乗っているという実情もよく分かりますね〜。

最後の一句は思わずニヤリとさせて頂きました。ラマダン中の撮り鉄で日中なかなか飲み食い出来ないことと、ラマダンでなくとも終日酒無し生活であることのどちらがツラいか……日本人鉄ヲタには究極の選択かも知れません (笑)。ムスリムなのに誰もが酒をガバガバ飲んでいる光景を、トルコ共和国や東トルキスタン(中国新疆)といったトルコ語圏で眺めたのがウソのようです (汗)。

投稿: おっとっと | 2014年1月31日 (金) 15時35分

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