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2014年1月26日 (日)

再開アチェ鉄道に乗る(プロローグ)。

 さて、このロクスマウェまでやって来た目的、空港から(警官の私用)バイクタクシーで北へ向かい国道を越えて更に北の海側まで走ること約15分。
椰子の並木に囲まれた南国の田舎の集落・・・の先に突然現れた「Bungkah」駅。あれ、スペル、これでよかったっけ?

こちら、今回30数年ぶりに復活したアチェ鉄道の運転拠点となる、ブンカー駅。
建て直されて真新しい駅事務所の発券窓口には時刻表が貼られており、予め調べていた情報のとおり、朝と夕方に数本の列車がこの駅から東西側の両駅・・・ クルン・グク駅とクルン・マネ駅とを結んで走っている。料金は片道Rp.1,000と、当地の物価と比べても格安。
駅構内には交換設備の準備工事が行われており、更に対向側ホームの海側には車庫があり、水色に塗られたKRDIディーゼルカー編成が格納されている。
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ノンビリとした昼間のブンカー駅構内。左奥の車庫の中にはディーゼルカーが見える。

程なく駅から線路を挟んだ反対側にある職員宿舎らしき建物から、非番なのか休憩中の職員と思しき男性が現れ、話しかけてきたのを機に、しばしお話を伺うことに。
今回営業運転を再開したのは、ここアチェ南東部のロクスマウェ市西方のブンカー(正しいスペルはBungkaihだが、発音からは「i」が落ちて「ブンカー」となるため、駅舎の看板の標記も間違ったらしい)駅を挟む、東のKrueng Geukue(クルン・グク)と西のKrueng Mane(クルン・マネ)とを結ぶ約11.3kmの区間。

1876年に、当初は現在の州都バンダ・アチェ市内の5kmで750mm軌間の蒸気鉄道として開業したアチェ軌道(Atjeh Tram)は、その後アチェ国営鉄道(Atjeh Staats Spoorwegen)と経営形態を変更・改称し、1919年までに南東隣の北スマトラ州ベシタン(Besitang)まで約450kmが開通、メダン側から伸びてきていたデリ鉄道(Deli Spoorwegen)と接続した。当時、バンダアチェ=メダン間は、途中ロクスマウェでの1泊を経て、2日間がかりのノンビリとした運行だったという。
その後ディーゼル機関車も導入・無煙化される等の近代化も進められたが、モータリゼーションの進展に伴い乗客数は減少、1970年代前半から部分廃止が始まり、1982年にランサ(Langsa)市内区間を最後に全線の運行が停止、残念ながら、事実上の廃止となってしまっている。
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アチェ鉄道の時刻表を載せておきます。鉄道雑誌「Majalah KA」の1月号の時刻表には、少し誤植があるので。

そのアチェ鉄道が、スマトラ島を南北に縦断するスマトラ縦貫鉄道(Trans Sumatra Railway)計画の一環として復活を目指す計画が立ち上げられ、1998年頃から政府予算が割り当てられ、元々の750mm軌間で建設されていた線路は標準軌1,435mmに改軌されて再建工事が開始された。この期間変更は、この計画がフランス政府とSNCFの支援によるものだったことが影響しているものと思われる。
工事自体は先ずこの3駅間のみが完成し、列車の運転が再開された訳だが、それに加え東のロクスマウェ市内付近までは用地の確保(不法占拠住宅等の除去)はほぼ終了、線路、少なくとも枕木の敷設は概ね終了しているという。確かにこの市外の3駅間だけ運行したところで、市内中心部まで入っていく訳ではないので需要は限られている筈で、市街地まで入って行けるようになって初めて、ある程度輸送機関としての機能が期待できるのだろう。
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新たに建て直されたブンカー駅舎。各駅とも同じ雰囲気で、味気ないといえば、そうか。

本日応対してくれた、ここの列車運転の責任者アブリザール氏によれば、全くもってその当方指摘のとおりで、現在この鉄道は営業収支は全く考慮されておらず、今から徐々に鉄道の利便性や単位燃料あたりの輸送効率性について地元住民に認識して貰い、今後開業区間が拡大して以降を見据えて、旅客需要の掘り起こしを目指しているとのこと。
なおこの路線は、アチェ鉄道区間全体を見ているPT.KAIアチェ事務所の管轄ではなく、メダンのDivre1(第一支社)の直轄なのだそう。運転関係の職員はメダンから1ヶ月交替での単身赴任勤務で、2軒の職員住宅で共同生活を営んでいるという。お疲れ様です。

変則3往復となっている列車のうち、午後の列車の運転は15時過ぎから再開ということで、まだ相当時間がある。一旦国道まで出て見つけた食堂で、お昼ご飯に当地名物の麺料理ミー・アチェをいただき一休みの後、再度ブンカー駅へ。
今度は件の職員住宅に招かれて暫く雑談するが、横でお喋りしている地元の男性、こちら「あ、俺?元GAMだよ。」とサラッと仰った。GAMとは、Gerakan Aceh Merdeka、アチェ独立運動といって、早い話独立派ゲリラで、彼も長い間銃をとって国軍とのゲリラ戦闘に従事していたんだという。うっひゃぁ。

そんなわけで、長くなってしまったので、乗車記は明日分に続きます。(引っ張ってスミマセン)
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さあ、発車時間が近づき、2両編成のディーゼルカーが出庫してきました。

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