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2014年4月27日 (日)

JTC・ODA疑獄事件、続報。

先般当ブログでも書きましたが、インドネシア他ウズベキスタン、ベトナムで鉄道関係の援助案件の受注にあたって現地政府関係者に対して贈賄行為を行っていたとして、国税局から追徴課税されることとなり、その後第三者委員会を設置して事案の背景及び事実関係等を調査してきた本邦コンサル会社JTC(日本交通技術)関連の事案ですが、4月25日、同委員会による調査報告書が公表されたと各紙が報じています。

総計100頁にもなる分厚い報告書によると、同社は、上記三カ国におけるODA関連事業で総額約1億6,000万円のリベートを各国の政府関係者に支払ったとしており、ウズベキスタンの「カルシ~テルメズ間鉄道電化」「山岳鉄道運営に係る実施機関能力向上プロジェクト」で約7,300万円、ベトナムの「ハノイ市都市鉄道建設事業(1号線)フェーズ1」関連で約6,600万円、そしてインドネシアではジャワ南本線複線化関係の3案件で総額約2,677万円のリベート(※)を、インドネシア政府運輸省鉄道総局(DGR)の局長クラスの関係者に提供していたとのこと。

  • ※ 2010年1月~2012年6月までの間に「クロヤ~クトアルジョ間設計見直し等」で7億8,725万ルピア、
  • 2010年9月~今年1月まで「チルボン~クロヤ間詳細設計」で13億9,000万ルピア
  • 同年10月に「クロヤ~クトアルジョ間施工監理」で500万円

本件については、案件実施が決まり技術入札・価格入札の後、「第一交渉権」を持つこととなった業者(同社)が先方政府関係者と契約条件交渉を行う過程において、DGRのプロマネや施設局長といった契約にかかる権限をもった関係者から、会議経費や選挙対策費といったものに必要である、他国の入札業者は○○(金額)を支払っている、といった形でリベートを要求され、この要求を拒否するすれば契約調印を引き延ばされる等の嫌がらせを受けたり、契約価格を覆されて契約できなくなると行った虞があると考え、本社国際部の承認を得て、社員が出張時に現金を携行する形でインドネシアに持ち込み(これも現地法違反)、支払ったということの由。

こういった形でのリベートの要求及び支払いは、JTC社だけをとっても(ODA案件には限らないが)1990年代から延々続けられてきた悪習ですが、同社のような必ずしも大規模とは言えない企業で、受注を逃した場合、準備にあたっての相当額の“先行投資”が無駄になることは会社経営に対する圧迫要因になることから、「何としても受注に漕ぎ着けて先行投資を回収したい」と考え、その過程において、或いはその心情を見透かした先方政府関係者からリベートをたかられるという図式が成立していたのは間違いないでしょう。
その結果として、嫌々、渋々、会社のためにやむなく行ってきた行為のつもりが、(JTCは)「被害者と見られるべきではなく、相手国の腐敗を助長する『共犯』としての立場にあった」と報告書は断罪しています。

途上国、=腐敗が激しいと短絡的に結びつけることは適当ではないし、例外も多々ありますが、一般論として実態としてそのような傾向が一定程度あることは誰しも関係者の認めるところでしょう。かといって国内での業務が頭打ち・飽和状態になっている中、この業界の企業も海外にビジネスチャンスを求めて出て行かなければならない中、必然的にその出先は途上国が大多数となる。そしてこのような問題に直面するケースもしばしばあると思われます。他の競争相手国には、ダンピングのような価格で、あるいは廉価な粗悪品をもって入札し、そしてリベートの供与など屁とも思わない手段により受注を試みる企業も多数あるでしょう。
そのような環境の下ではリベートの要求など日常茶飯なのかもしれませんが、少なくとも今回のケースは、ODA案件であったため、JTCは先ずはJICAそして大使館を動かしてでも問題の解決を図るべきものだったと考えます。

ともあれ、この報告書は、JTCが設置した委員会が、JTCからの聞き取りや書類を確認した上で作成したものであり、税務当局・検察当局がオーソライズしたものでもなければ、インドネシア側関係者からの聞き取りや調査を行ったものでもありません。
今後捜査のタマはインドネシア側(運輸省やBAPPENAS、KPK汚職撲滅委員会)に投げられたわけですが、彼らがどう調査に動き、どのような結果が示され、そして今後の同様の案件の再発防止に向けた方策がとられるのか、引き続き注視していきたいと思います。
Fajaryogyap10602302
チルボン=クロヤ間のプルウォクルト北方の複線区間を南下する、急行「Fajar Yogya」ジョグジャカルタ行き。

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