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2018年4月20日 (金)

ラカインへ。

今日は代休をとってラカイン州のシットウェに飛びます。
ラカイン州における所謂“ロヒンジャ”問題について、当ブログでは政治的な事項については基本的に触れないことにしていますが、このラカイン州を往訪する以上、否応なくこれに関わらないわけにはいきません。
事実関係や歴史的経緯、ミャンマー政府・ミャンマー人の本件に対する考え方や各国政府の対応・取組等については、それぞれのサイトや報道、ネット上に数多ある情報を御覧戴き、御自身で理解を深めていただければと思います。
本項では、自分自身の記録の意味から、また当方と似た目的で現地往訪を検討されている方に参考となるかもしれない情報に絞って記載することにします。
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今日のフライトはガパリ経由のKBZ便で15時の到着。午前中にフライトがないのでこんな時間になってしまいました。

ラカイン州北部地域への窓口となるのは、シットウェ空港。かつてはアキャブと呼ばれており、空港の3レターコード「AKY」にその名残を留めています。
1日代休を取ってこの金曜日は、UB運航のセスナ機による経由便がある筈なのですが、ネット上の標記は満席。旅行会社を通じて確認して貰うと、この日はその便はない、という回答だった由。なので、若干時間的に勿体ないのですが、13:15発のAir  KBZ、K7-422便、タンドウェ(ガパリ)経由のフライトでシットウェ空港に降り立ちました。
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シットウェ空港に到着。

ミッチーナやチャイントンといった僻地というか、民族紛争等を抱えた地域・外国人の出入りが制限されている地域の入口となる各空港と同様、空港にはイミグレのカウンターがあり、外国人はパスポートを見せて登録されます。国連機関職員(水色のレセパセ所持)が数名同じ便から降り立ち、地域柄を感じさせましたが、とはいえ、どこへ行くどこに泊まるといった特段の質問もなく、パスポート番号とビザ番号を書き留めただけであっさり放免。出迎えの小型セダンに乗り込み、本日の目的地ミャウーへ向かいます。
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“南線”の始発駅、シットウェ市内のピードーター駅。

といっても、ただ直接クルマで向かうわけじゃないのはご想像のとおり。ラカイン州で2区間(要説明。下記ご参照)の鉄道の駅に立ち寄りながら、運転状況等を確認しつつ、線路に沿って走って行くわけです。

このラカインの鉄道、北部の中心都市シットウェと、中北部のマグウェからエーヤワディ川を挟んだ対岸にあるミンブとを結ぶ、総延長257マイルの「Minbu - An - Sittwe Railroad Project」として両端から建設が進められました。
鉄道省と国鉄MRの資料によれば、その第一期区間として、2009.2.15に着工、2009.5.19にSittwe(PyiTawThar駅を指すものと思われます)~Yechanbyin間11.46マイルが開業とありますが、僅か3ヶ月で鉄道が開通!という驚くべき速さで建設工事がなされています。用地買収は事前に終えていたのでしょうが(強制執行?)、それでも建設した道床や路盤が安定するには時間を要するでしょうし(路盤なんか無いじゃないかという突っ込みは無しで)、あまりに速く作られたので、地元の人は安全性を不安視して乗車しようとしなかったという噂話もさもありなんというところです(この区間を本項では便宜的に「南線」と呼びます)。
その後同区間とは繋がらないKwanTaung~Ponnagyun~Yotayouk間22.72マイルが2010.5.15、その更に北側のYotayouk~KyaukTaw間19.28マイルが翌2011.4.10に開通しています(この区間を同様に「北線」と呼称します)。
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国鉄MR公式サイト内のラカイン州内鉄道路線図に、現状を加筆してみました。ミャウーからアン、ミンブ方面は一切記載されていません。

これがこのミンブ~アン~シットウェ鉄道の現在までに営業運転がなされた区間の全てで、Yechanbyin~Pardaleik間5.81マイルは2009.2.15に工事が開始されたものの完成・営業運転は開始されず仕舞い、Pardaleik~KwanTaung間4.18マイルは未着工、KyaukTaw~An~Minbu間193.01マイルも同様に着工日がこの資料には記載されていません(実際は、チャウトー~ミャウー間は相当に工事が進捗していたことを確認していますし、ミンブ側からも数kmの区間で工事が進んでいることが衛星写真で確認出来ます)。

その後、未開業区間の工事は凍結、現地などで確認したところ、北線は2015年に水害で一時運休、の後2017.4.18より運転再開するも、2017.7よりカナンタウン(Kanantaung)北方の橋梁に安全上の問題が発覚したため、カナンタウン~チャウトー間を運休、残るカナンタウン~クァンタウン(紛らわしい名前ばかりですが)区間を2往復から1往復に減便して運行。南線は2016年の洪水でイェチャンビン~ゾウブージャ(Zawbugya)間の橋梁が損壊し、同区間の運転が休止となり、現在ではピードーター~ゾウブージャ間で1日2往復の列車が運転されている状況です。

その他、冒頭の“ロヒンジャ問題”、難民・国内避難民(IDP)の大量発生を引き起こした2016年10月及び2017年8月の武装勢力による連続襲撃事件とその後に続いた衝突の期間中は鉄道の運行状況も不安定になったと伝わってきていますが、正確な運行中止・再開日等は確認出来ていません。
そのような背景知識を持って、シットウェからミャウーを目指しました。
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南線の終点イェチャンビンと北線の南端クァンタウン駅の間のPardaleik(パダレイ)未成駅。

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