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2018年9月22日 (土)

脱線事故の影響で。

9月15日早朝、市内のホテルからバイクタクシーでダウェイ駅へ。前日のまだ明るいうちに一度来ているのでわかってはいましたが、初めて来たら心配になるような草むらの中の、乗用車の通行も覚束ないような道を走って到着した駅舎内には、当地ではよくあることですが、前の晩から夜明かしをしたと思しき乗客が数名ゴロゴロと転がっていました。

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立派・・・な廃墟のダウェイ駅(前日夕撮影)。

既に発券窓口は開いているようでしたので、事務室を訪ねて外国人向けの乗車券を作成して貰い、駅前の茶屋で一服の後、ホームへ。

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ショーティ客車を連ねて、さあ出発です。

入線していたのは地方路線でよく見られる“ショーティ客車”を連ねたヤンゴン行き176DN列車です。所謂“代用客車”は無く、Ordinary2両、Upper1両、First1両、Ordinary1両、最後尾に守車を連ね、先頭に立つのはDF1606号機。時刻表上はヤンゴン行きですが、途中のイェーで一般型客車の編成に車両交換となるのはネット情報からわかっていました。この短い車両でヤンゴンまでは入ってきてないですしね。

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敬虔な仏教国の当地では、お坊さんや尼さんは特別扱いで、当然のようにUpper車が割り当てられます。

列車の出発は午前06:01。06:00ピッタリではないのは、かつてダウェイ・セイッカン駅を05:40発でこの駅まで向かってきていた頃の名残でしょうか。
この生意気にも3列シートのUpper車は、当方の他には警乗の鉄道警察官と尼さんとその連れだけ、Ordinary車も半分弱くらいの乗車率です。

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こんな人跡未踏に見える山の中にも、整然と植林されたプランテーションがそこかしこに。

漸く白み始めた空の下、半分弱ほどの乗り具合で列車は定刻に出発です。ミャンマーの列車、始発駅の出発時刻については極めて正確に守られている印象があります。

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この国の鉄道線路で下草刈りがなされているとは思えませんが、撮影地になりそうなきれいな築堤を進みます。

列車はダウェイからイェ―まで海沿いに走っていくのかと思いきや、ダウェイを出た列車は左右双方の車窓に山並みを望みながら走っていきます。まだ早朝ですので、盆地の雰囲気の山裾は靄を被り、北部山岳地帯のような趣も感じられます。

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売り子さんから3in1のお茶を買っていただきます(200チャット)。

この早朝の時間帯ですが、各駅・停留所では1日1本の列車を乗客が待ち受けていました。1995年の当初部分開業時の終点イェビューを過ぎると、列車は徐々に山間部へ入っていきます。

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器用なもんですねえ―、売り子さん。(カレインアウン)。

途中駅から乗ってきてはす向かいに座ったグループ、どうもミャンマー語ではない言葉を話しているようなので、聞き耳を立ててみると、どうも響きがタイ語…らしい単語が聞き取れなくもない。

話しかけてみると、自分たちはモン族だと。喋っているのもモン語なんだそうで、以前シャン州東部のチャイントン周辺で話されていたシャン語もタイ語に近い印象を受けましたが、この辺りも一山超えるとすぐタイですから、言語・文化的にも色々影響を受けているのでしょうね。

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これも20世紀末製とは思えない、戦車用の簡易橋?みたいな橋を渡ります。

下川氏の書籍では、「ジャンプ激しい、ダニに食われて腫れた、枝に顔を打たれた、寝て過ごした、何でいい歳してこんなことやってるんだろう」といつもの下川節で終わってしまう区間なのですが、確かに車体を激しく打つ木の枝に当方も2、3度叩かれましたし、そういった草木に阻まれて車窓が開けないところも多いのではありましたが、それでも高原風景あり盆地あり澄んだ水の流れる沢を渡り、農村にゴム植林に里山の風景あり、見事にカーブする築堤や(それほど古いわけでもないのに見た目はとても)古めかしい鉄橋を徐行で渡ったりと、なかなか変化に富んだ楽しい車窓風景が続きます。

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保線車両の駐泊する比較的大きなガンゴータウン駅。物売りの姿も多数。

カレインアウンでは駅ホームの売り子さんからカオソエジョー(焼きそば)で小腹を満たし、車内の売り子さんから3in1のお茶を買ってみたり。少し開けて保線車両が止まる側線もあったガンゴータウン駅ではプラ容器に入った弁当も売られていましたが、これを買わなかったのを後で後悔する羽目になりました。

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アップダウンの続く路線。立派な安全側線のある駅も幾つか。

13時少し前頃、時刻表上の定刻は12:10着・12:20発のパイッピンクィンに到着したのですが、なかなか対向列車が現れません。片方の列車が大幅に遅れる場合、運行指令が直ちに交換駅を変更してもう一方の列車を次の交換可能駅まで進ませるのですが、今日はそのような措置も取られる気配がありません。他の乗客も続々と下車して来て、携帯電話の電波も届かないこの山間の小駅は、滅多にない賑わいとなりました。

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宗教関係の募金を募りに行くのかな。老若男女混合団体。

2時間ほどの後、どうやら対向列車が脱線事故を起こしたので、救援列車が走る、この列車は復旧作業が終わるまで走れない、ということが駅員氏との意思疎通からわかって来ました。

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山間の小駅パイッピンクィンで足止めに。

いつ作業が終わるのか、イェーから先の列車は待ってくれるのか、携帯はMPTもTelenorも圏外でGSM通話やSMSも出来ず、小さな駅の物売りの食べ物はあっという間に完売。あと1時間程のイェーで買えるから、と敢えて今までの駅での売り子さんから弁当類を買わなかったのが裏目に出ました。

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トラクター改造の救援車両?が作業道具を積んで走っていきます。

それでも3時間程経った頃、売り子のおばちゃんの娘さん?がバイクで運んできたタイ製トムヤムクン味のインスタント麺をカセットコンロでくべて提供され、他にも餅米を焼いたのとか、スナック菓子など売りに来たのでホッと一息。

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インスタント・ラーメンにありつき、ほっと一息。あと何時間かかるかわからないしね。
バケツにくまれた水、これどんな水を使ってるかわからず不安だったので、左のペットボトル水も一緒に購入し、こちらで茹でて貰いました。外国人はこれだから… 的な失笑を買いながら。

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退屈だねぇ、まだ動かないねぇ、いつ動くのかなぁ。。。

結局、5時間程の後、復旧作業が済んだらしく遅れの対向列車が現れ、漸くこちらも再出発。程なく現場らしく最徐行そして一旦停止して作業員を乗せて走り出しました。

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ようやく対向列車が現れました。乗客皆、安堵の表情。

どうやら、崖崩れの土砂が線路に覆い被さったところに、低速で登って来た列車の機関車が少し乗り上げた、という事のよう。

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ここが事故現場らしいですね。最徐行・一時停止して作業員を回収します。

バックして、取り敢えず線路に被さった土砂を取り除いて、そのまま上下列車を通してしまったので、“脱線”にしては、早く“復旧”出来たのでしょう。
日本だったらこう簡単にはいかないでしょうが。

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この短尺編成の終点、イェ―に6時間遅れで到着。接続列車(右)に乗り換えですが、島式ホームにしてくれればいいのにね。

そんなわけで、定刻14:23到着のイェーにたどり着いたのはもう陽もトップリと暮れた20時過ぎ。接続列車となる同じ列車番号のヤンゴン行きはきちんと待っていてくれましたが、目的地モーラミャインに着くのは、日付変わって午前2時を回りそうです。
真っ暗な車窓になってしまったこの区間、余裕があったら乗り直しに来たいところ。

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通常の“長尺”車両のUpper車。4列シートですが、安心感を感じられるのは(笑)。

あゝ、ミャンマーで汽車旅するのは、かくも容易なき事なるかな。

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本日の目的地モーラミャイン着は深夜の2時半。ああ疲れた。
そしてこんな入替機(?)DD900の牽引だったのね。

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