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2018年9月23日 (日)

日曜のモッタマにて。

昨日の176DN列車にそのまま乗り続けていれば、6時間の遅れはあれど、今朝のうちにヤンゴンには着けていた筈、なのですが、わざわざ下車して1泊したのは、ちょっと寄り道してみたいところがあったため。ホテルからバイクタクシーでモーラミャインから橋を渡って北側のモッタマ(旧称マルタバン)側へ向かいました。

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今にも列車が入って来そうなモッタマ終点駅(跡)。

このタンルウィン河(とその支流との合流点)を渡るミャンマー随一の長大橋、ネット上にはその延長について幾つかの異なる数字が表れていますが、取り敢えずWikiでは道路橋3,528m、取り付け部に余裕を要する鉄道橋で7,640mと書かれていますが、いずれにしても3km以上の川幅を跨いでおり、軍政下の2005年に独力でこの橋を作り上げたのですから、立派なもんです。

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モッタマの駅名標。左にまだ駅があるように書かれていますが、セイッカン(港)と書かれているだけです。

先の大戦中、苦心の末にタイ側と繋がれた泰緬鉄道で運ばれてきた人や物資は、モーラミャイン~イェ-間の既存鉄道を経てこのモーラミャインまで運ばれてきたものの、対岸のマルタバンには船で渡り、更に北を目指すことを余儀なくされていました。

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フェリーへ乗り込むための通路だったのでしょうね。赤錆びた施設が残っています。

その状態は2005年にこの橋を通る鉄道が開通するまで続き、当時北側路線の運転の拠点が終点のモッタマにあり、現在もこの地域の主要な機関庫・整備基地となっています。

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日曜日のモッタマ機関庫入口前。左のバイタクで回りました。

橋を渡ったバイタクにまず連れて行って貰ったのは、その北側路線の終点、モッタマ旧駅跡。管理人なのか人が住み着いている駅舎には、モーラミャイン側への鉄道が直通するようになった後も、一時列車の運行が残っていたらしいです。現在は勿論列車の発着はないながらも、綺麗に整備され駅名標もはっきり残り、今にも列車が入って来そうな雰囲気です。

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機関庫の入口。アッシュピットがありますが、先日、Far Rail TourのグループがチャーターしたSLがここまで乗り入れて来たようです。

その駅舎を出ると、目の前には対岸に渡るフェリーの乗り場だったのでしょう、赤錆びた接岸設備が残されていました。

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綺麗な稼働状態のLRBE59号車。チャーターしたいなあ。

続いて訪れたのは、モッタマの機関庫。こちらには、この装甲車があるという風の便りを聞いていて、是非とも確認したいと思った次第。

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この装甲車(Armored Car)。稼働状態で残っているのは、驚きです。乗ってみたいなぁ。動くとこ見てみたいなぁ。

この装甲車両自体は英国時代に持ち込まれたもので、マレー鉄道にも兄弟車がいるようなのですが(KLの博物館にある由。)、ホンの数年前まで、21世紀に入ってからもしばらくの間、実際に救援車両として使われていたようなのですから驚きです。

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14:00発、このVIPバスでヤンゴンへ帰ります。

日曜の今日でしたが、親切な当番の上役の方、こちらが見せたスマホの写真をみるや、あ、これね、そこにあるよ、見てって♪、と至極上機嫌。生憎庫の中にしまわれたこの車両、今動かして外に出すわけにはいかないけど、可動状態にあるよ、とのこと。

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出発前に陶器のカップで“ウェルカム・ドリンク”のコーヒーが手渡されました。自社デザインの飲料水も。流石はVIPバスたる所以か。

そしてもう1台、車庫の外に置かれていた綺麗な状態のLRBE59号車。こちらに至っては、現在でも時折物資輸送で動いたりしてるよ、というには驚かされます。その性格上、いつ動くのかはわからない、上の指示があれば、とのことなのは仕方がないことでしょうか。

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3列シートのゆったりとした車内では、映画も見られます。

こちらは悪い癖で「チャーターは?」と聞いてみたら、「ネーピードーの本社から指示があれば」とのことで、各管理局限りで受けたりは出来ないんですね。この装甲車のチャーター、してみたいんですけどッ!

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コメント

落花生様、
前回の落花生様の質問時にはブログ等やっていませんでしたが、コロナで外出自粛の日々の中、記憶整理を兼ねて始めています。SLキャブの東屋は、10月14日にまとめた記事を、装甲車両は7月2日と9月30日に書いています。時間ありましたら、ご覧ください。Link先はSLキャブと装甲車の有った、ウタラディット駅/機関区の記事です
https://cocosoco.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-5bdb22.html

投稿: kiwi | 2020年12月 5日 (土) 22時48分

kiwiさま、
5年間のタイ駐在とは、羨ましい限りです。
お書きになっておられた、東屋となったSLキャブ6台、そしてカオチュムトーン・ジャンクションのC56炭水車、是非世に出していただきたいものです。ブログやSNSで公開されておられるのでしたら、ご教示いただければ嬉しく存じますが… 
そして海外旅行が自由にできる日が、近く来ることを祈りつつ。

投稿: 落花生。 | 2020年6月 2日 (火) 18時55分

落花生様、お久しぶりです。
外出自粛の中、Thai乗り鉄系の本を読み直しており、装甲車の記載を見つけ、愕然としてしまいました。
このトゥンソンはガンタン線乗り潰し後、保存SLの撮影の為下車しました。街を一回りしたところで暑さの為に駅舎内に避難したのが敗因です。
タイ駐在(延べ5年)で深南部(ハジャイ-スンガイコーロク)以外は乗車出来、保存SLも44両撮影できました。その他東屋となったSLキャブ6台とか落花生様がブログ内で書かれていたカオチュムトーン・ジャンクションのC56炭水車も見ています。そういえば渡邉様の本にもこの炭水車が書かれていました。
今年は2月にシンガポールからKL経由(ここで保存装甲車を見る予定でした)のタイ旅行を狙ってたのですが、コロナで中止となってます。ワクチンと治療薬が出来るまで、海外旅行はお預けでしょうか・・・。

投稿: kiwi | 2020年5月29日 (金) 00時16分

kiwiさま、
久しぶりの書き込み、追加情報ありがとうございます。確かに、今このブログを読んでくださる方がどれだけいるか…
渡邉様の御指摘の本、当方も読みましたが、凄い情報量ですよね。あの分厚さに文庫本のようなフォントですから。
トゥンソン・ジャンクションは私も通りましたが、まったく気づきませんでした。残念です。

投稿: 落花生。 | 2020年5月28日 (木) 09時30分

ここで追加情報を記載しても、見る人はいないかもしれませんが・・。
渡邉乙弘著「タイ国鉄4000キロの旅」文芸社によれば、タイ南線トゥンソンジャンクション(ガンタン線の分岐駅)にも列車から見える場所に装甲車両が保管されていると記載有りました。2010年9月乗車時の情報です。
私は2016年にこの駅で列車待ちを2時間ほどしましたが、この記載を覚えておらず、探しもしませんでした。とても残念です。

投稿: kiwi | 2020年5月27日 (水) 18時34分

マッキーさま、
コメントありがとうございます。初のミャンマー語訪問なのですね。寝台車にマンダレーの市場駅、良いですねー
ミャンマーはとても治安がいいですし、最近はネット上にも多くの情報が出回ってきていますので、色々お調べになり、実りある訪問にされてください。そして次回以降、ドンドン深みにはまって行ってしまうかもしれませんね!

投稿: 落花生。 | 2018年11月22日 (木) 23時15分

kiwiさま、
お返事遅くなりました。拙ブログをご覧いただき、コメントありがとうございます。
モッタマの装甲車、私もマレーシアで確認しました。1950年代ということで、戦前ではなかったのですね。47台も入っていたというのは驚きです。貴重な情報ありがとうございました。
タイのものも、機会がありましたら、ぜひ見てみたいです。

投稿: 落花生。 | 2018年11月22日 (木) 23時12分

落花生様
貴重なブログ発信ありがとうございます。
私的にミャンマー視察に行くことを決断し準備中の者です。もともと軽便や専用線のファンでしたが、ミャンマーは初めてなので取りあえず駅で見るだけと思っていました。
でも、落花生さんのブログや斎藤さんの記事を見てLRBEに惚れ込んでしまい、「もう少し早ければ」と後悔が…
まずは、ヤンゴン→マンダレーの寝台車やターイゼイ市場位で安全にお茶を濁して捲土重来を期したいと思っております。また、貴ブログを参考にマンダレーの宿はHotel Marvelにさせてもらいました。

これからも楽しい記事をお願いします。

投稿: マッキー | 2018年11月17日 (土) 11時28分

落花生さま
いつも楽しく読ませてもらってます。
同じ型と思う装甲車両の保存車を、タイで2台見ました。
この2台は1953年にマレーシアに入った47台の内からタイに行った物と本(The railway of Thailand, R.Ramaer著)に書かれてます。
1台はフヮランポーン駅のそば(線路の西側を国鉄本社に向かって行くと本社手前、右側の公園に置かれてます。Google mapには写真も出てます)。
もう一台はウタラディット機関区に有りました。
どちらも車で移動中に偶然見つけた物です。まだまだ有るのではと思ってます。

投稿: kiwi | 2018年11月 7日 (水) 00時51分

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